AndroidのadbをWifiネットワーク経由で使う
Androidでは、adbというツールで端末に接続することができます。通常はパソコンと端末を USBケーブルでつないだ状態でコマンドを叩きますが、今回はこれをWifiネットワーク経由で行う方法を紹介します。
なお、下準備でUSBケーブルが必要となるので、通信用USBケーブルから解放されるわけではありません。
手順
1. 端末の開発者オプションで、USBデバッグをONにする
通常のadbと同じなので、特に説明は不要でしょう。
2. adbコマンドにパスを通す
Android SDKのplatform-toolsフォルダに入っているので、パスを通しておきます。
$ export PATH=$PATH:$ANDROID_HOME/platform-tools
adb
コマンドが使えるか確認します。
$ adb version
Android Debug Bridge version 1.0.41
Version 30.0.0-6374843
Installed as < adb コマンドへのパス >
3. 端末をUSBケーブルでつなぐ
adb devices
コマンドでちゃんと接続できているか確認しましょう。
# デバイスIDは仮のものにしています
$ adb devices
List of devices attached
AAAABBBBCC device
4. 端末をtcpipモードにする
adb tcpip ポート番号
で、端末側をtcpipモードに切り替えます。
$ adb tcpip 5556
restarting in TCP mode port: 5556
5. USBケーブルを抜く
tcpipモードに切り替えたら、もうUSBケーブルは抜いて大丈夫です。
6. 端末のIPアドレスを調べる
端末の設定->デバイス情報で、どのIPアドレスが割り振られているか調べます。今回は192.168.10.3
だったとして説明を続けます。
7. 端末に接続する
adb connect
で端末に接続します。
$ adb connect 192.168.10.3:5556
connected to 192.168.10.3:5556
IPアドレスやポート番号を間違えると、次のようなエラーが表示されます。
$ adb connect 192.168.10.3:5557
failed to connect to '192.168.10.3:5557': Connection refused
接続できたら、adb devices
で確認してみます。
$ adb devices
List of devices attached
192.168.10.3:5556 device
Wifi経由で接続できました。Android Studioのデバッグ実行対象としても表示されます。
8. 切断する
adb接続が不要になった場合、adb disconnect
で切断できます。
$ adb disconnect
disconnected everything
まとめ
Wifi経由でadb接続する方法を紹介しました。「端末側のポートをあけて」「接続する」というシンプルな手順なので、使えそうな場面で使ってみましょう。